かなり後になってから知ったことなのだが、私の父親は魚料理が苦手な人である。
確かに記憶を手繰り寄せて見れば、肉料理を好んで食べている時の方が多かったような気がする。
しかし、大きなまな板の上でカツオやイカなど様々な海鮮を捌いていた姿も記憶にある。
だからかもしれない。
父が魚が苦手な人だとは全く思わなかったのだ。
私が大人になって、父は笑いながら話したことがあった。
親が嫌いな物は、どうしても子供に食べさせることが少なくなる。
そうすれば、子供が将来魚を食べられない人になってしまうかもしれない。
そしてまた自分が母親になった時に、自分の子供に魚を食べさせなくなってしまう。
だから自分が魚が嫌いだということを一度も言わなかったと言うのだ。
ちゃらんぽらんな父だと思っていたが、確かにそれはその通りだなと思って聞いた。
そう言えば、父が魚を捌く時はいつもお酒を飲みながらやっていた。
ただの酒好きの料理だとばかり思っていたのだが、実は魚のニオイを麻痺させる為に飲んでいたと言う。
まあ、それは本当かどうか分からないが、こうやって私たち姉妹が魚嫌いにならなかったのは、父のおかげでもあるのだろう。
カツオはよく食べて育った。
手作りのイカの塩辛や、赤魚の煮つけなども美味しいと思いながら食べたものだ。
ショウガやニンニクなどを上手くあしらって、臭みの全く気にならない料理を作ってくれた。
それに、肉料理もよく食べさせてくれたものだ。
自分自身が大の肉好きであることもあり、私たちは恐らく美味しい肉をたくさん食べてきたのだと思う。
おかげで好き嫌いは無いし、私の子供も嫌いな食べ物が全く無い。
遠くに住んでいる祖父母
私は父方のおばあちゃんにとても懐いていて、おばあちゃん子なんですが、もちろん母方のおじいちゃん・おばあちゃんも大好きです。
今回は、ちょっと離れたところに住んでいるおじいちゃんとおばあちゃんについて書こうと思います。
母方のおじいちゃんは小さな漁船を持っていて、漁師をしています。
たまに遊びに行くと、船に乗せてくれたりします。
おばあちゃんもそれを手伝っています。
海辺の村に住んでいるせいか、訛りがとっても強いです。
時々何を言っているかわからない時もあります。
でも、何度も同じ話をするのでそんなに問題はないです。
漁師をしているので、遊びに行った時の食事は魚がメインです。
明らかに食べきれない量のお刺身や、煮魚、焼き魚が出てくるので、申し訳ない気持ちになりつつもやっぱり嬉しいです。
おばあちゃんが「遠慮しないで食べてね」と言いながら、てんこ盛りでご飯をよそってくれるのもいつものことです。
暇があれば、おじいちゃんやおばあちゃんの仕事の手伝いをすることもあります。
もずくとそれ以外の海藻を分けたりするような簡単な作業ですが。
慣れてないのでモタモタしてしまいますが、一緒に何かしているのが嬉しいんですよね。
帰り際にはお小遣いを渡そうとしてきます。
もうそんな年じゃないので断るのですが、結局ポケットにねじ込まれてしまいます。
なので、遊びに行く時には何か手土産を持っていくようにしています。
もしかしたらそれを見越して渡してくるのかもしれませんね。