読書の魅力と電子書籍

読書とは良い物だなあとつくづく思う。
まず冬は外に出たくない。
そこで活躍するのが本である。
引きこもりというとなぜかゲームやアニメ、動画サイト、掲示板で顔も知らない誰かと戦ってみたり・・・とデジタルなイメージであるが、本を読むというアナログな行為をたまにやってみると引きこもりもいいなと思う。

そう考えると学者なんて引きこもりなのだ。
一冊の本という小さな塊に大きな大きな世界が広がっている。
それは小説だけではない。
論文、学術書であってもそうである。
自分が知らない世界を見せてくれるものは本当に素晴らしい。
ひとたび読み始めると何時間でも“この世”から逃避させてくれる。
活字が活字でないように見えてくるまで5分とかからない。
ぺらぺらと紙をめくり脳を活字が埋め尽くす。
しかしそれは瞬く間に映像へと変化し、数々の登場人物がしゃべりだす。
最近は電子書籍という無機質な本も流行しているが、やはり紙の、温かさというのは捨てきれないでいる。
雑誌でも、カタログでも、パソコンやタブレット、ケータイの液晶とにらめっこして得られるものよりなぜか多い気がする。
紙を折ってみたり触ってみる。
それによって視覚だけでなくそれがアナログの紙から得られる情報であると感じる。
小さい頃本を読むことはいいことだと教わった。
本を読め本を読めと親や先生から口うるさくいられたものだ。
当時は良くわからないままに児童書なんかを読んでいたが、今は本を読む意味、喜びを感じながら読んでいる。
読書とは良い物だなあとつくづく思う。

読書とストーブ

冬が来ると私はもっぱら室内で過ごす時間が多くなります。
ストーブの前で、ストーブの上に甘くてぬるいコーヒーを置き、石油の臭いを感じながら本を読むのが私の好きな冬の過ごし方です。

ストーブの上にマグカップを置いておくと、心なしか冷めずにぬるまったいままのコーヒーが飲めると考えているのは、私だけでしょうか。
コタツにみかん等と言いますが、私はやっぱり石油ストーブが好き。
室内で過ごす時間はたいてい本を読んで過ごしています。

今読んでいる本は江國香織(えくにかおり)さんの『間宮兄弟』。
恋愛とは無縁のオタクの兄弟が日常生活の中で恋に出会って行く小説。

私は普段の生活の中でオタクなどという分野の友人はいませんし、少し苦手意識すら感じています。
でもそんなオタクさんたちの日常を観察する事ができ、ましてや恋をしてくれるなんて、なんだか箱の中のジオラマを見ているみたいでおもしろいなと思っています。

この本を読む前は気にも留めなかった電車の中で赤いGTホーキンスのリュックサックを背負ったような眼鏡をかけた小太りの人(どうみてもオタク。
ほら、なんかアニメ小説?みたいなものを読んでいる。)がどんな生活をしているのか気になるようになりました。
それでも、やっぱりオタクさんは遠くから見ているだけにしたいですけれどもね。

今日も私はストーブの前で、間宮兄弟を読んでいます。
3時間置きに鳴る運転延長のアラームは時間の過ぎて行く事を教えてくれます。