この前ココナツカレーを作ってみた。
ちなみに私は、人生で一度も正しいココナツカレーを食べたことがない。
というか、正確に言えば一度も食べたことがない。
私はもっぱら家の中辛カレーもしくは、インドカレーであれば100%バターチキンしか頼まないというような、リピータータイプ、悪く言えば冒険しないタイプである。
それが何故食べたこともないようなココナツカレーを作ろうと思ったかと言えば、それはただ単に作れそうと思ったからである。
ココナツというものが浸透し始めたのは、アジアンスイーツ(ナタデココ、杏仁豆腐とか)が定着するようになってからだろう。
私は、ココナツミルクで始めて、「ココナツ」が商品名に入っているものにふれた。
けれども食べてみると、意外と今まで食べてきたものの中にも入っていることを知っておどろいた。
例えばサブレとか、ずっと大好きだったのに何味か分からないで食べていたアイスとか。
それで、意外と料理にも使えると偏見がなくなってきたところだった。
ココナツカレーは噂には聞いていて、なんとなく入っているものも想像がつくので、何故か前に買い集めたカレー用スパイスをふんだんに(適当に)使って、想像上のココナツカレーを作り上げた。
我ながらうまいもんだと思って、今度は姉にご馳走することにした。
ところが、姉の家のそばのスーパーに売っていたのが、うちの近所のスーパーで売っているココナツミルクとは違ったのだった。
これが間違いのもとであった。
適当に作っているのだからレシピなんてもちろん作っていないし、そんな上に使っている材料が違ったもんだから、前回とは全く違う薄いへんてこなものが出来上がってしまった。
私は言い訳がましく、「本当はもっと美味しかったんだけど」とぶつぶつ言うしかなかった。
姉は気を使って美味しいと言ってくれたが、人に気を使わせるようであれば、手料理なんか作らないほうがなんぼかよいなと反省したのである。
けれども本当はもっと美味しかったということを、次回こそ証明したいところではある。